さかみちのきょうしゅう 【西区そぞろ歩き 9】坂道の郷愁

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西区そぞろ歩き:坂道の郷愁

久保町から富士見丘学園へ登る坂の途中で、大きなふろしき包みを背負った人を見かけた。懐かしいな、と思った途端、私の中で、ざっと半世紀ほどのタイムスリップが起きた。

そう、この辺り、われら悪童にとっては格好の遊び場だったのだ。樹も草もたくましく繁り、蔦はからまり、虫もオタマジャクシも、蛇だっていたのだ。だれもがターザンだった。

そんな中でも、われわれの心を捉えて離さなかったのが、この店であった。並んだガラス瓶の中の妖しげな、不思議な物たち。絡み合い、チロチロと黒い舌を吐く生きた蛇たちの目。ウインドーのガラスにおでこを押しつけて子どもたちは、未知の世界への恐れとあこがれをかき立てられたのだった。

文・絵 長谷川 泰 (西区文化協会 騎虎の会主宰)

※1997年11月から2004年4月までに、広報よこはま西区版で掲載されたスケッチと文章です。内容は現在とは異なる場合があります。ご了承ください。

(1998年7月掲載)

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