もみじざかのふうけい 【西区そぞろ歩き 3】紅葉坂の風景

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西区そぞろ歩き:紅葉坂の風景

「昨日は今日の古(いにしえ)、今日は明日の昔」室町時代の古謡(閑吟集)の一節であるが、まったく月日の経つのは早いものだ。

元旦といってもどうせ昨日の続き、格別の変わりもないはずだが、そこはそれ日本人。年の始めのためしとて心も新たに一年の計を立てたり日記をつけたりするのだ。

ところで、紅葉坂の青少年センターの辺りに神奈川奉行所があった。安政6(1859)年に設けられたというから、ざっと140年の昔のことになる。時代も変わり眺望も変わったが、正月この坂の上に立つと、裃に威儀を正した役人たちの交わす「御慶」の声や着飾った町の娘たちのはじけるような笑い声など、そのころの年の始めのさんざめきが聞こえてくるような気がするのだ。

文・絵 長谷川 泰 (西区文化協会 騎虎の会主宰)

※1997年11月から2004年4月までに、広報よこはま西区版で掲載されたスケッチと文章です。内容は現在とは異なる場合があります。ご了承ください。

(1998年1月掲載)

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